『ISSEN』
エンタテイメントコンテンツ開発のブシロードとアニメ制作のオー・エル・エム(OLM)が、オリジナルアニメ開発・制作で事業提携をする。両社は、アニメ企画・制作の新ブランド「ISSEN」を共同で立ち上げた。
「ISSEN」は新規アニメの原作・開発と制作を手掛ける。アニメ分野における両社の専門性を合わせることで新しいアニメの創出を目指す。
OLMは「ポケットモンスター」シリーズや「妖怪ウォッチ」シリーズ、『パックワールド』などのアニメーション制作で知られる業界大手。2Dアニメーション中心のオー・エル・エム、デジタル・CGアニメーションのオー・エル・エム・デジタル、ロサンゼルスに拠点を持つSprite Animation Studioなどをグループ会社にする。いずれもその高い技術力で定評がある。一方で、OLMのアニメーション制作の大半は受託制作で自身のプロパティはあまり多くない。
対するブシロードはカードゲームやキャラクターの開発を中心に独自のコンテンツをメディアミックスとして広く展開する。しかし、アニメーション制作事業は保有していない。オリジナルコンテンツ分野に関心を高めるOLMとハイクオリティのアニメーションを求めるブシロードが結びついたと考えられる。
これまではあまり大きなビジネスプロジェクトのなかったブシロードとOLMではあるが、いずれもアニメ業界のキープレイヤーだけにその動向が関心を呼びそうだ。
事業提携発表と伴に、「ISSEN」の最初のプロジェクトも明らかにされた。メディアミックスプロジェクトBanG_Dream!のファーストシングル「Yes! BanG_Dream!」のプロモーションビデオを「ISSEN」が担当する。
BanG_Dream!は小説『100回泣くこと』で知られる作家・中村航がストーリー原案によるメディアミックスプロジェクトだ。「ISSEN」はプロモーションビデオの原作・設定開発、アニメーション制作をした。
ブシロードは11月には、アニメ映像ソフトの大手メーカーであるバンダイビジュアルともメディアミックスを中心としたアニメプロジェクト「ラクエンプロジェクト」を発表したばかりである。業界大手の他社と手を組むことで、オリジナルコンテンツの開発により積極的に関わる方針のようだ。
国内アニメは既存の人気マンガ、小説、ゲームなどを原作にすることが多い。そのなかでオリジナルに大きな力を注ぐブシロード、その協力企業の動きは、今後も目が離せない。